「今こそ、人員の大幅制約やサプライチェーンの支障に備えたBCPの準備を!」
2022.1.20
日本でもオミクロン株による新型コロナウイルス感染症が急拡大しており、今後の状況は予断を許しません。事業継続推進機構(BCAO)は、企業・組織の皆さんに、近日中の厳しい状況の到来に備え、早急にBCPの見直し・改善を行うことを呼びかけます。
オミクロン株は非常に強い感染力を持ち、重症化率が低くても感染拡大で社会・経済活動に大きな支障を発生させます。濃厚接触者の自宅待機の期間が仮に半分に短縮されても、感染者数が倍になれば同じです。
既に米国では新型コロナの拡大で地下鉄運行などに大きな支障が出ており、また、沖縄で医療体制のみにならず、社会機能の維持に懸念が出ています。このような状況は、日本のどの地域、あるいは全国的に発生する可能性を直視しなければなりません。
これまでの日本の新型コロナの経済被害は、需要が減少した業種の倒産回避・雇用維持が大きな問題で、国内のクラスター発生が社会機能やサプライチェーン(供給連鎖)の支障を発生させた事例はわずかで済んでいました。しかし、今後は、このような事例に備えることが急務であるとBCAOは考えます。
皆様の企業・組織の新型コロナへのこれまでの対応は、感染防止策とテレワークに実質的に限られていませんか? これらは自社・自組織のクラスターの発生を回避するのに有効ですが、オミクロン株の感染力の強さから、家庭、地域社会からの感染が企業・組織の活動制約になることまで考えなければならない状況です。そこで、自社・自組織の人員が大きく制約され、あるいは供給元の感染で重要な原材料の入手が困難になる場合に備え、自社の活動制約・供給力低下を回避するBCPが求められる懸念が強まりました。
十数年前に作られた新型インフルエンザにも対応するBCPをお持ちであれば、自社の活動制約・供給力低下を想定したものであったはずです。そのBCPを思い起こして現状に合わせて見直してください。お持ちでない企業は、新たにこのようなBCPの導入も検討してください。また、すでにBCPを構築されたところでも、実際のBCPの発動は未経験でしょう。今一度本番に備えて演習などで確認をしてください。まだ、備えの余裕がある今こそ、行動を起こすタイミングです。
未だ新型コロナウィルス感染症の戦いに収束が見えないなかでの、企業・組織の皆様のまさに生き残りをかけて様々なご努力にあらためて敬意を表したいと存じます。 人命安全と経済活動の停滞に大きな影響を与える感染症に、これからも勇気と知恵を持って向き合いさらに強靭な組織・社会の実現につなげるためにも、BCAOはこれからも皆様のお役に立つ情報提供と相互の共有の場の提供を通じてご支援を続けて参りたいと存じます。